授業「茶わんの湯」2023A / Lesson from a teacup
主題科目「茶わんの湯」から科学を考える
時間と空間を超越、普遍性を追求、多様性を受け入れ、
学問分野を自由に横断する、日常生活の中にある茶碗から、私たちの挑戦
0. [必読]本実習の履修を検討している学生さんたちへ
⚫︎ ガイダンス
第1回目のオンライン授業、2023年10月5日(木)3時限目に実施しました。
→ 参加できなかった履修検討中の学生さんへガイダンス動画の閲覧URLを案内しています。下記のお問い合わせからメールしてください。
⚫︎ [提出必須] 履修登録希望Googleフォーム
https://forms.gle/ehBp3SAAccuCK9Yc8
→ 必ず記入・提出してください。
→ ガイダンスに出席もしくはガイダンス動画を閲覧しないと回答できない内容が含まれています。
→ 履修希望者多数の場合は、抽選となります。
⚫︎ 開講曜限
2023年Aセメスター 木曜日3時限目
⚫︎ 問い合わせ
✉️ kashima+Lesson_from_Teacup@g.ecc.u-tokyo.ac.jp
⚫︎ 担当教員
鹿島 勲(かしま いさお)
https://www.isaokashima.c.u-tokyo.ac.jp/
普段は特別に意識しない、なんの変哲もない茶わんと湯であっても、よくよく観察することで様々な系に共通する普遍的な構造や法則および、最新の知見と関係していることが見えてくる。
本ゼミは、物理学者・寺田寅彦の名随筆「茶碗の湯」を起点として、素朴な疑問を大切に、身近なものごとに潜む本質的なことを、授業内の作業や実験を通じて科学的に考えます。あらゆる先入観・偏見から解き放たれ、学問領域を自由に往来し、さまざまな視点・観点から知の再連結と思考のトレーニングをする機会を「茶わんの湯」を通じて提供することを大きな目標としています。
1. 目的
日常茶飯事目にするような、なんの変哲も無い身近なことがらに着目し、それを科学的に思考し批判する。また、その身近なことがらを学問領域横断して異なる様々な視点から考察する。さらに、身近なことがらに付随する習慣、文化や歴史の説明も取り入れる場合もある。
新しい事象や法則の発見は科学への貢献のみならず、実社会問題の発見や解決と密接に関係しうることを具体的に学習する。
2. 授業の流れ
まず、授業「茶わんの湯」を読む、そして、授業が展開する。
ココに茶わんが一つあります。中には熱い湯がいっぱいはいっております。ただそれだけではなんのおもしろみもなく不思議もないようですが、よく気をつけて見ていると、だんだんにいろいろの微細なことが目につき、さまざまの疑問が起こって来るはずです。ただ一ぱいのこの湯でも、自然の現象を観察し研究することの好きな人には、なかなかおもしろい見物みものです。
3. 授業構成
セメスター前半と中盤(実験・体験・講義)
この授業は、大きく分けて2つのパートに分けることができます。セメスター前半は、名随筆「茶碗の湯」から展開する実験作業や体験を伴う授業を計画しています。2023年度は、水や光、お茶やコーヒーをキーワードに身近な題材を取り上げる予定です。安全で初心者でも楽しめる内容を準備しますので、文科学生の参加も歓迎します。どれだけ専門用語を事前に知っていたかではなくて、どれだけしっかり考えたのかが反映するような授業の雰囲気です。
授業中に行うワークの流れ概略|知の再連結と気づき:課題を出題、参加者は個人で考え回答、その回答をクラス共有、グループで考え回答、その回答をクラス共有、時間に余裕がある場合は、課題そのものを再考し、このサイクルを繰り返す。回答は、参加者の私有の端末からGoogleフォームを送信、共有はGoogleスプレッドシートおよびZoom画面共有によって行う。授業に持参する端末は、テキスト入力可能なノートパソコンやタブレットが好ましいが、スマートフォンからの参加でも十分に楽しめるように配慮した授業構成・教材を準備している。使用教室は、同時に履修想定人数がオンライン作業しても問題ないWifi環境を整えている。🔍学生は、Google検索、生成AIを授業中に自由に活用し、その活用方法の共有も推奨される。
キーワード:Problem-Based Learning(PBL)/解決型学習, Process skill(プロセス スキル), Object Based Learning(オブジェクト・ベースト・ラーニング)
このアプローチは、東京大学 Discipline-Based Education Research (UTokyo DBER) Journal Club で紹介された教育論文および、UTokyo DBERのコアメンバーとのディスカッションにより授業「茶わんの湯」へ導入しました。
発表日・場所:July 4 (Mon) 17:00 - 18:00、UTokyo DBER
タイトル(英):Lesson from UTokyo DBER Journal Club, Practice in my class toward Disciplines in Harmony
タイトル(日):ディシプリンズ・イン・ハーモニー、UTokyo DBER Journal Clubからの学び、学際的な融和に向けた私の授業における実践
セメスター終盤(ルーブリック・キューブ / Rubric Cube)
セメスター終盤は、前半の体験授業の振り返りと寺田寅彦の名随筆「茶碗の湯」をもとに、寺田寅彦的な眼差しとはどういうことなのかをテーマに取り組みます。具体的には、①名随筆「茶碗の湯」の評価表(ルーブリック)作成、②評価表(ルーブリック)に基づき新規のエッセイ作成、③新規のエッセイの評価、この①〜③の作業(ルーブリック・キューブと呼ぶ)をクラス内共有しつつ繰り返します。この繰り返し作業、評価表(ルーブリック)作成とエッセイ作成に、ChatGPT等の生成AIの使用を許可します。本授業では、身近なものごとに潜む本質を見抜くことに秀でた寺田寅彦的な思考の理解と習得のために、生成AIのアプトプットのみならず、プロンプトライティングを楽しみ、その可能性を模索します。多面的な思考を促すために、新規のエッセイは、日本語以外の言語に翻訳することも推奨します。翻訳は、どのような作業をしたのか申告・記録すれば機械翻訳や生成AIの使用を許可します。同じ題材で、同じ生成AIを使って、評価表(ルーブリック)の違い、もしくは、プロンプトライティングの違いによって、どのようなアウトプットの違いが出てくるのか比較し、その作業を繰り返すことで寺田寅彦的な眼差しの評価表(ルーブリック)の質の向上を試みます。
ルーブリック・キューブの概略図:ルーブリック・キューブを楽しむサイクルが、生成AIの可能性・課題を考え、寺田的な視点の本質に迫ることができるか履修生とともに取り組みます。
キーワード:Rubric / ルーブリック, ChatGPT, Prompt Writing / プロンプト・ライティング
このアプローチは、東京大学 Discipline-Based Education Research (UTokyo DBER) Journal Club で紹介された教育論文および、UTokyo DBERのコアメンバーとのディスカッションにより授業「茶わんの湯」へ導入しました。
発表日・場所:July 4 (Mon) 17:00 - 18:00、UTokyo DBER
タイトル(英):Lesson from UTokyo DBER Journal Club, Practice in my class toward Disciplines in Harmony
タイトル(日):ディシプリンズ・イン・ハーモニー、UTokyo DBER Journal Clubからの学び、学際的な融和に向けた私の授業における実践
4. 授業時間外の作業
授業時間外の作業は基本的にありません。自主的に作業することは問題ありません。授業中に行うワークおよび、ルーブリック・キューブは授業時間内に実施します。
5. 持ち物
授業中に行うワークおよび、ルーブリック・キューブはクラス内共有しつつ進行します。そのため、授業にテキスト入力が可能で、インターネットに接続できる端末を持参してください。これまで、新規のルーブリックおよび、エッセイを作成することに時間がかかる問題(サイクルが回せない問題)がありました。今年度は、生成AIを活用しつつ新規ルーブリックおよび、エッセイを作成することも可能です。ポイントは理解しているのに、文章作成速度が遅いというだけで、この種の授業を敬遠していた履修生でも楽しむことができますので、理科履修生も積極的に参加してください。
6. 主たる対象
文科理科1・2年生
すべてのコースの学生の参加を歓迎する。
7. 授業ガイダンス
第1回目のオンライン授業、2023年10月5日(木)3時限目に実施します。
Zoom URL
https://u-tokyo-ac-jp.zoom.us/j/93150810437?pwd=andHYy9sVkdoTEw2dFJQVlo3cXdQQT09
→ リアルタイムで参加できない履修希望者には、録画閲覧URLをメールで案内します。
→ ガイダンスには、履修登録に必要なワーク(Googleフォームへの送信)が含まれています。
→ 倍速閲覧の場合は、ワークをスキップしないように気をつけてください。
8. 履修可能人数
定員
20-30名を予定している。希望者多数の場合は抽選を行い選抜する。
9. 履修登録方法
下記のURLから履修登録希望Googleフォームを提出してください。
https://forms.gle/ehBp3SAAccuCK9Yc8
→ 必ず記入・提出してください。
→ ガイダンスに出席もしくはガイダンス動画を閲覧しないと回答できない内容が含まれています。
→ 履修希望者多数の場合は、抽選となります。
10. 開講曜限・スケジュール
2023A木曜日3時限目
❶ 10月5日(木)ガイダンス [Zoom]
タイトル:授業「茶わんの湯」のガイダンス
講師:鹿島 勲
所属:教養学部附属教養教育高度化機構 Educational Transformation(EX) 部門
❷ 10月12日(木)[対面]
タイトル:「茶わんの湯」からインクをつくる、インクでえがく
講師:鹿島 勲(かしま いさお)
所属:教養教育高度化機構EX部門
❸ 10月19日(木)[対面]
タイトル:「茶わんの湯」から水環境を考える
講師:堀 まゆみ [環境分析化学]
所属:教養学部附属教養教育高度化機構 Educational Transformation(EX) 部門
❹ 10月26日(木)[対面]
タイトル:「茶わんの湯」から考える身近な不思議
講師:吉澤 晋 [個人][ラボ]
所属:東京大学大気海洋研究所 大学院新領域創成科学研究科/環境学研究系自然環境学専攻
❺ 11月2日(木)[対面]
タイトル:TBA
講師:TBA
所属:TBA
❻ 11月9日(木)
タイトル:TBA
講師:TBA
所属:TBA
❼ 11月16日(木)
タイトル:「茶碗と科学」
講師:岩田 純子、山本 幸伸、中井 宏美
所属:ノリタケカンパニーリミテド
❽ 11月30日(木)
タイトル:TBA
講師:寺尾 潤 [分子建築学]
所属:東京大学 大学院総合文化研究科 広域科学専攻 相関基礎科学系
❾ 12月7日(木)
タイトル:TBA
講師:田村 隆 [文学]
所属:東京大学 大学院総合文化研究科 超域文化科学専攻文化コンプレクシティ講座
❿ 12月14日(木)
タイトル:「茶わんの湯」からマインドフルネスと社会変革を考える
講師:齊藤 弘久(社会科学)
所属:総合文化研究学科附属国際交流センター グローバル・ファカルティ・ディベロップメント
⓫ 12月21日(木)
タイトル:「茶わんの湯」再考、生成AIの可能性と限界、ルーブリックとエッセイ(ルーブリック・キューブ)
講師:鹿島 勲
所属:教養学部附属教養教育高度化機構 Educational Transformation(EX) 部門
⓬ 1月4日(木)
タイトル:「茶わんの湯」再考、生成AIの可能性と限界、ルーブリックとエッセイ(ルーブリック・キューブ)
講師:鹿島 勲
所属:教養学部附属教養教育高度化機構 Educational Transformation(EX) 部門
⓭ 1月11日(木)
タイトル:「茶わんの湯」再考、生成AIの可能性と限界、ルーブリックとエッセイ(ルーブリック・キューブ)
講師:鹿島 勲
所属:教養学部附属教養教育高度化機構 Educational Transformation(EX) 部門
11. 成績評価
①出欠カード兼感想・講師からのお題解答カードの提出、②ルーブリック・キューブ(エッセイ評価表、プロンプト、新規エッセイ)提出により総合評価する。成績評価方法の詳細は、第1回目授業ガイダンスにて説明する。
12. 本件問い合わせ先
ご質問、ご要望、ご意見がある場合は、ご遠慮なく下記実習専用メールアドレスまでご連絡ください。